データ分析が私のメインの業務であり、そこで必要な統計の知識を確かなものとするために統計検定1級を受験しました。
業務では集計とグラフ作成だけの簡単な分析から機械学習を利用した分析まで、さまざまな手法でデータを扱っています。そのため、ヒストグラムの作成やベイズ推定などで普段から確率分布を意識することは多く、また、モデルのパラメータ推定も多く扱っているので、その周辺の問題は取り組みやすかったです。一方、検定や分散分析を業務で直接的に扱うことは少なく、必ず理解しておくべき内容であるにも関わらず知識が乏しいことを認識させられました。また、線形重回帰分析の各係数の最小2乗推定量が多変量正規分布に従うことの証明を初めてきちんとフォローし、きれいな式展開に感心したりもしていました。
事前の勉強は、過去問を解き、理解していない部分を主にサイエンス社「統計演習」で理論を確認しながら進めました。統計数理の合格には、多変量正規分布の確率密度関数や検定統計量とその分布など暗記しなくてはいけない項目もありますがそれほど多くはなく、一方で計算力が重要であると感じました。積率母関数を利用した期待値や分散の計算や、置換積分でガンマ関数に変換してからガンマ関数の公式を駆使した計算など、いくつかの計算テクニックは大いに役立ちました。
試験直前の2日間の詰め込み勉強がほとんどでしたが、その間は妻や実家の父母に3歳と0歳の子を連れ出して遊んでもらったおかげで集中でき、1級に合格しかつ統計数理で最優秀成績賞まで取れました。協力してくれた妻・父母・子らに感謝しています。