基礎研究や臨床研究を行う上で統計学の知識が必要であると思い,勉強を始めるきっかけとして統計検定を受験しました。大学在学中は統計や確率を学ぶ機会はほぼ皆無で,数学もうろ覚えの高校数学の知識しかないため,6月に2級,11月に1級を受験しようと思い4月から勉強を始めました。
当初は「偏差値って何?」,「順列,組み合わせの計算ってどうするんだっけ?」というレベルからのスタートで2級の過去問集を繰り返し解くことで基礎的な知識を習得しました。その中で疑問に思ったことを調べて知識を深めていくという方法で2級は突破できました。その後1級の過去問に取り掛かったのですが,まず問題文は未知の単語のオンパレード,「置換積分ってなんだっけ?」,「2×2の逆行列しか計算したことないんだけど。」と数学の部分でかなり遅れをとっている感じがしました。ただ,繰り返し問題を解いていく中で,求められている数学の知識は「高校数学まで分かっていれば理解できる範囲のもの」であると個人的には感じました。確率分布の期待値や分散,最尤推定量,正規方程式などの基礎的な計算を日々練習すれば数学の壁は越えられると思います(逸脱している範囲は問題文に誘導がついています)。そして,計算の見通しが立てば過去問における出題者の意図が分かり一問解くごとに統計学の理解が深まっていくことが実感でき難解な教科書を読み進めることができます。そのため今後もどんな問題が出題されるのか楽しみです。
最後に,統計検定の受験を通じて得たものは「統計学の勉強法」です。教科書で理解できない箇所が出てきても「この分野のことを調べればいいかもしれない」と察しがつくようになり,今は楽しく統計学を勉強しています。今後は研究デザインの作成や検定結果の解釈などの実業務に直結できるよう学習を続けます。