現代では各疾患の治療や診断の指針、いわゆるガイドラインがあり、それに基づいた医療の提供が標準的な医療の形のひとつです。そのガイドラインのもととなる医学論文を読み、理解することは、患者さんに提供する医療の根拠を理解するという意味で重要です。そういった論文を読むときにはもちろん統計手法が出てきます。また、エビデンスを作る立場となり、論文を書くときにも統計手法の理解が必要です。そのような背景から、資格試験であり、外部評価として統計を使えるという証になりうる統計検定に魅力を感じ、受験しようと思いました。
受験にあたって、卒業後、時間が立っているので、まず統計検定2級を取得しました。それを基礎的な知識としました。学習が進むにつれて、幅広く統計を学びたいと思うようになったので、準1級取得を目指し、今回、無事最優秀賞受賞で合格することができました。
勉強方法の骨格として、メインのテキストに、日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応「統計学実践ワークブック」を使用しました。準1級の範囲を網羅しており、これを1冊やりきれば合格できると考えたためです。テキストはテーマ毎に例題があり、問題を通して統計的な考え方を実践し身につけることができます。テキストの通読は少なくとも2周した上で、過去問題集を解いていき、理解が曖昧なときには、該当する部分のテキストを熟読しました。頭の中にテキストの構成がしっかり入ると、試験や試験以外の機会で学習した単元を目にするとすぐに思い浮かぶようになり、該当項目の理解がスムーズになりました。
医学の領域は複雑で予測し難いですが、それへの武器になるのが確率や統計です。いままで観察していた現象がこの分布に従いそうだ、など、日常的に考えることが増えました。今後も統計検定1級の取得を目指して、学習を継続していく予定です。