9月3日~7日に金沢大学で行われた「統計関連学会連合大会」において,ランチセッション「統計検定についてディスカッションしよう!」が開催されました。これは,昼休みに,実施データや統計検定利用者からの話題を基に,統計検定の特徴や問題点などを議論し,統計検定や統計教育を盛り上げていこうという試みです。
当日は,「統計検定センター」提供で,サンドイッチと飲み物が配られ,昼食を食べながら,セッションがスタートしました。用意した120セットが3つ余りましたので(セットを取られていない方もおられるかもしれませんが),117人もの統計検定や統計教育に関心のある方の参加をいただきました。
最初に,セッションの目的の簡単な紹介と,統計検定の各種データから,性別・年齢別の受験者数の推移や受験者の専門領域,業務での統計の利用実態などが示されました(下のグラフは,これまでの試験の3歳刻みの年齢分布です)。また,8月29日に開始されたCBT方式試験が紹介されました。
続いて,「高等学校における統計検定の利・活用」として,香川県立観音寺第一高等学校の石井裕基先生より,高校の数学教員を対象とした統計検定および統計教育に関するアンケート結果と,勤務校の統計検定への取り組み(生徒の受験のきっかけや目的,受験までの活動,生徒の反応など)のご報告をいただきました。
次に,「大学教育における統計検定の利・活用」として,龍谷大学 理工学部 数理情報学科の樋口三郎先生より,講義科目の中で統計検定を取り上げたり,団体特設会場受験として統計検定を実施したり,さらに,近隣の高等学校への広報など,さまざまな取り組みの工夫が紹介されました。また,数学検定との比較,大学入試との関係,学生のとらえ方なども報告されました。
最後は,「企業の人材教育における統計検定の利・活用」ということで,小野薬品工業株式会社の本田主税 氏に,データ解析リテラシーの向上を目指して結成された社内の自主サークルのメンバーが,学力定着とモチベーション維持のため,2級を受験し,全員一発合格した取り組みをお話しいただきました。費用面も含めた会社の支援や模擬試験の実施,対策問題の一日一問(答えつき)メール配信といった工夫や,結果として,具体的な研究活動推進の成果として社内表彰や部署を超えた繋がりができるなど,成果が業務に活かされていることが報告されました。
その後,フロアから,フリーで質疑や意見を伺いました。学校教育での統計教育に対する質問や統計検定の出題方式への希望,よりよい参考書の編集などの意見をいただきました。
12:10~12:50の40分間という大変短い時間でしたが,非常にホットでそして有意義なセッションとなりました。講師の先生方,そして,ご参加いただいたみなさま,ありがとうございました。