「実務で統計分析を行うため、統計学の復習をしたい」、これが統計検定受験の主たる動機でした。大学院では開発経済学を専攻し、現職においてもロジスティック分析、主成分分析やクラスター分析を行うなど統計に触れる機会は少なくない一方、体系的に知識を整理できているとは言えない状況でした。この点で、大学基礎課程をカバーする2級の受験は振り返りをするうえでいい機会でした。
受験にあたり、2ヵ月前から公式問題集を解きはじめました。その際意識したのは、単に問題を解いて正解を探すのではなく、背後にある考え方(解くプロセス)を理解するということです。例えば、「なぜサンプル数は多い方がよいのか」、「なぜn-1で割るのか」、「なぜt検定を行えるのか」、「なぜ強い相関関係にある変数を同時に説明変数にいれるべきではないのか」といったこれらの「なぜ形式」の問いは、必ずしも設問で直接的に問われることはないかもしれませんが、その答えがなぜ正しいのかを論理的に説明するうえで立ち止まって考えるべきポイントです。振り返ると、2級の問題は上記のような問について正しく理解ができていないと、正答することが難しくなるような設計となっており、合格をするうえでも、正答を導くプロセスを重視して受験の準備をするのは重要な気がします。実務においても、StataやRなどの統計ソフトウェアの出力結果を正しく読み取るうえで、統計学の考え方について理解するということは非常に大事です(ソフトウェアは瞬時に分析結果を出してくれますが、読み取り方は教えてくれません!)。
今後はさらに上の検定を受験し、統計学の魅力(100%とは言えずとも、ある一定の確度をもって客観的に主張をするという姿勢)を味わうこと忘れずに、分析の幅を広げられたらと思います。