様々な情報が様々な利用目的で収集され,蓄積されています。因果関係の把握が困難な出来事を確率的な事象として捉え,分布を仮定し,事象の一続きをシミュレーションした上で意思決定を行うという技術が,マネジメント技術の一つとして普及しています。確率論に基づくシミュレーションモデルに実際的妥当性を与えるためには統計学に基づく判断が必要です。もし誤った判断に基づいてモデルが構築されたならば,頻繁に逸脱し兼ねないことになります。このような危険を避けるため,モデル構築に必要な基礎的事項に対する理解を測る意図で,統計学の基礎項目を確認する2級検定に臨みました。
統計検定に向けた実際のところ,推計の練習問題に十分に豊富な参考書がなかなか見つからず,様々な分野のデータを収録している洋書の参考書を用いることになりました。そこでは,各種の推定および仮説検定が求める前提条件と,その条件の現実的な厳しさを確認しながら進めていきました。その結果,各方法の構造や相対的な立ち位置が直感的にも鮮明になりました。
実際に取り組んだ試験問題からみて,今回の検定で基礎に対する理解度を確認することができたと思います。統計検定を利用して基礎をしっかりさせたうえで,さらに多変量解析や母数に依拠しない手法などを用いて,様々な条件下においてもより体系的な記述・推測ができるようになれればと考えています。