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合格者の声

2級

公的統計データが果たす役割や価値を考えるために
一坂 浩史さん(大阪府総務部統計課長)

 統計検定に挑んだのには“キッカケ”があります。
 昨年8月中旬、季節はずれの辞令で統計課に。統計は初めて。着任早々、法定受託事務である基幹統計調査や大阪府で推計する加工統計など20種類を超える公的統計調査・推計について、連日説明を聞いて勉強しました。また、積極的に統計調査員に同行させていただき、統計調査の現場を自分の目で見るよう心がけています。
 普段は、調査票の配布・回収など、実査とよばれる調査業務等を中心に行っています。最近は、ビッグデータやAI(人工知能)、データサイエンスなどの話題が注目を浴びる一方で、調査業務は、国勢調査など大規模な調査の時を除いて、さほど大きな話題になることなく日々地道に取り組んでいます。ただ、実際には、調査対象となった世帯や事業所で回答にご協力いただく方々や統計調査員には、日頃から、相当な手間や苦労、コストをおかけいただいています。常々感謝を忘れてはいけないと感じています。
 あれこれ考えている時、17世紀初頭、ドイツのヨハネス・ケプラーが発見した惑星運動の法則にまつわる話を思い出しました。有名な「ケプラーの法則」ですが、彼がこの法則を発見したのは、師匠であったデンマークのティコ・ブラーエが数十年もかけて肉眼(望遠鏡はなかった)で行なった正確で膨大な天体観測データがあったからという話です。ケプラーに比べて観測者はあまり目立ちませんが、ケプラーが観測データを活用して数学的な物理法則を導き出したことで、観測データの価値が人類への貢献というレベルまで高められ、ティコ・ブラーエの苦労も多少報われたのではないでしょうか。
 同じように統計もユーザがいなければ無価値です。ユーザニーズの理解に努めることが公的統計データの役割や価値の向上につながるだろう。それなら統計学について勉強してみようというのが、“キッカケ”だったのです。
 一方、インターネットを通して多様かつ爆発的な量のデータが蓄積されるなか、統計のパラダイムシフトが始まっているようです。インターネットが望遠鏡だとすると、そろそろガリレオのようなデータサイエンティストが現れて、新たな地動説の提唱を始めるころかもしれません。
 そんな時代の統計検定。チェビシェフの不等式、中心極限定理やベイズ統計など、初めて学んで新鮮な衝撃を受けました。お勧めの勉強法は、カードに定義・公式・定石や苦手な過去問をメモして、何度も作り直し、見直す方法です。50枚で合格レベル、100枚いけば優秀者に達すると感じました。

 

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