私は研究を遂行する上で、実験方法を計画し、実施結果をまとめることを日ごろ行っていますが、統計の学習をおろそかにしていたので、いつも後から困っていました。ソフトウェアなどで実験結果を統計処理するものの、そもそも原理を理解していないので、いつも中途半端な出来に苦しんでいました。
こんな状況にもかかわらず、確率統計の授業を担当することになり、さらには東京大学出版会の教科書が指定されました。これは統計をやり直せということなのだと理解し、なんとか勉強して授業15回分の資料を作成しました。恥を承知で申し上げますと、このとき初めて母集団と標本の区別がついたと言えます。コイントスで仮説検定の仕組みを説明する明快さに感動を覚えました。この際、大学基礎レベルの学修が完了したことを証明したくなり、インターネット検索で統計2級の存在を知りました。しかしながら、最初に2級を受けたら落ちるだろうと思ったので、一つ下の3級から取得することにしました。
CBT対応の問題集を一冊購入し、また自分が高校生の時の青チャートを引っ張り出しました。問題集を一通りやってわからなかったところに印をつけ、次に青チャートを一通りやりました。二周目として、問題集と青チャートの解答を自分なりに清書しました。試験当日は、緊張したときのあの両の腕の内側から胸にかけてのぞわぞわを10年以上ぶりに感じました。
試験を受けて思ったのは、本より画面を見て解くことが難しいこと、また、制限時間があるなかで初見の問題に触れるとまったくわからないこと、時間を使ってしまった難問に対して、諦めて次の問題に進む決断ができないことです。中くらいの難度の、計算の必要のない、提示されたグラフから言えることの問題では、正答以外の選択肢を消すための確実な根拠が欲しくて、長時間使ってしまいました。後から見直すことにしておけばよかったです。
思いがけなく、おまけで賞までいただいて大変うれしく思っています。要望としては、具体的にどの問題を間違えたのか教えてほしいところです。