保健所で厚生統計と情報処理に携わっています。統計検定は3級、統計調査士、専門統計調査士に続いて、4種類目の合格となりました。
コロナ対応でまとまった時間が取れないなか、すき間時間に過去問題集で「傾向と対策」を練ったつもりが、本番では面食らう問題ばかり。今回、最後のPBT(紙ベースの試験)ということで、「2級に求める能力はここまでなんだぞ」という出題者からのメッセージを感じ取りました。成績は良くありませんでしたが、なんとかA評価。2級範囲をマスターしたとはとても言えませんので、今後も基礎学習を続けたいと思います。
統計検定の過去問を解いていて感銘を受けるのは、社会課題となっているテーマや直観に反する結論を引き出す問題がたびたび選定されていることです。統計学の学習が数値の操作技法の習得だけになってしまわないようにという出題者の教育的配慮が感じられ、個人的にも知見を拡げることができました。
さて、今も続く新型コロナウイルス感染症の対応では、保健所の業務ひっ迫が課題となりました。私の勤務先でも厳しい人員不足に直面し、他部署から応援職員を派遣してもらう必要が生じました。追加人員数の算出にあたっては、PCR検査数、陽性者発生数などの指標と職員の残業時間との回帰分析を行い、定量的な根拠資料としました。コロナ対応では心身ともに追い詰められましたが、そんな中でも統計学を学んでいてよかったと感じた出来事です。まだしばらく困難な状況が続くと思われますが、今後は政策立案の観点からも、保健所管内の感染状況と、都心や周辺地域の感染状況の分散分析や、ワクチン接種と感染状況のデータの相関分析など、統計学を積極的に活用したいと考えています。