INTERVIEW統計検定2級取得者インタビュー:Hugkunの学生が語る学びとこれから

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株式会社Hugkun

エンジニア 玉城 浩輔(たましろ・こうすけ)さん(琉球大学大学院 理工学研究科1年)(左)

CTO 城間 颯(しろま・はやて)さん(琉球大学工学部 知能情報コース4年)(右)

根路銘 理子(ねろめ・りこ)さん(アンケート回答)

お3人が所属する企業:株式会社Hugkun

株式会社Hugkun(ハグクン)は、沖縄でITエンジニアを目指す学生と、IT人材を必要とする企業をつなぎ、学生にとって実践的なスキルの習得とチャレンジできる場所を提供することを目的に、2018年11月に設立された。学生が主体となって経営し、高度IT人材の育成に取り組んでいる。

本記事は統計検定2級取得者であるHugkunの玉城さん、城間さんへのインタビューに加え、当日参加できなかった根路銘さんのアンケート回答も掲載しています。3人の学びのリアルをぜひお読みください。

有志ではじめた統計勉強会

Hugkunに入った経緯を教えてください。

玉城|私は大学2年生の時に、Hugkun(ハグクン)の会社説明会に参加して、面白そうだなと思ってインターンに応募し、その後アルバイトとして採用されました。

城間|私は1年生の10月くらいに参加しました。同じ大学の知能情報コースの友だちに「プログラミングが学べて、お金も稼げる会社があるよ」と誘われて、一石二鳥だなと思って採用試験を受けました。

企業との取り組みでは、アルバイトとして関わることになるのですか?

城間|はい。インターンではなく、有償のアルバイトです。Hugkunには3か月から半年ほどの育成制度があるので、そこでしっかり技術力をつけたうえで、コラボ企業と一緒に仕事として関わらせていただきます。ありがたいことに、学生に機会を与えることに賛同してくださる会社があって、知る限りでこれまで6社ほどとご一緒しています。

Hugkunの人材育成制度に統計検定は含まれていますか?

玉城|いえ。そこには含まれてはいません。たまたまアルバイト先の企業の方に統計検定の存在を教えていただき知りました。その後、有志で集まって統計勉強会がはじまりました。

データサイエンティストの方が多く参加するなか、データエンジニアである私も新しい視点が得られるのではないかと思ったのが参加のきっかけです。

城間|最初は3人ではじまって、どんどん増えて今では10人くらいが勉強会に参加しています。私は普段、データ分析や機械学習に関わる業務を行っているので、それに役立つだろうと声をかけていただきました。

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勉強会で取り組んだことや印象に残っていることは?

玉城|統計検定の過去問を解き、講師役の方に解答を解説していただきました。統計検定2級の出題範囲を見ながら、概念を1つずつ解説していただいたり、応用トピックの講義をしていただくこともありました。最初の過去問演習で、ほかの参加者が高得点を取るなか、自分は1問しか正解できず、非常に焦ったことを鮮明に覚えています。

城間|ラスパイレス指数とパーシェ指数で、購入数量を固定するのは基準年と比較年のどっちかを覚える時に、語呂合わせで覚えたことが面白くて印象に残っています。「ラスパイレス指数はラズパイ基準」と覚えて、購入数量を基準年に合わせる。「パーシェ指数はPerfume(パヒューム)」で、購入数量を比較年(「ひゅ」かくねん)に合わせる。そうやって覚えました(笑)。

ひとりではなく、みんなとの学びならではですね。

城間|はい。勉強会があるまでは統計検定を知らなかったし、自分ひとりで勉強していたら、そこまで解像度を上げられなかったと思います。

統計検定2級に挑戦

これまで高校や大学で学んできた統計の印象は?

玉城|高校までの統計は、微分・積分や三角関数といった分野に比べて、あまり印象に残っていませんでした。
大学の授業では、簡単な確率の問題から統計的仮説検定まで、非常に幅広いトピックを学びました。統計はデータから特徴を読み解く際に役立つもの、という漠然としたイメージを持っていましたが、当時は授業についていくので精一杯でした。

城間|高校の時は、世の中のさまざまな事象を統計的に見ることで、物事を客観的に捉えることができ、その結果、日常生活で損をしたり、詐欺などで騙されにくくなるのかなと、ぼんやり考えていました。ただ、ひらめきが必要な問題が多くて、テストが難しい分野だという印象でした。

 

大学で学んだ統計は、高校の時よりも取り扱う概念が広がり、覚えることが多くなり、より難易度が高くなった印象でした。実験結果の妥当性を正しく示すために、統計的仮説検定などは有効なので、卒業研究のときに役立つと思いました。
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統計を学びはじめたきっかけは?

玉城|大学の授業で、データを要約する「記述統計」だけでなく、データから全体を推測する「推測統計」の考え方を知り、「統計にはこんな使い方があるのか」と驚いたのが、関心を持った最初のきっかけです。
研究論文などで統計的仮説検定を用いて結果の信頼性を示している場面をたびたび目にするうちに、自分もこの知識を身につける必要があると強く感じるようになりました。

城間|私はHugkunでの業務に携わるうえで機械学習の知識が必要となり、統計の勉強をはじめました。機械学習のバックグラウンドには統計があり、理論を正しく理解するためには統計への正しい理解が必要でした。そのことに気づいてから統計に関心を持ちました。

統計検定2級にチャレンジしたのはなぜですか?

玉城|勉強会で統計検定を教えてもらったのがきっかけです。

城間|統計検定2級を取得することで、自分の統計の知識量を客観的に証明できることがいいなと思ったからです。独学だと、どうしても勉強する範囲に偏りが出てしまうので、統計検定2級の出題範囲に合わせて勉強することで、統計の基礎知識を穴なく勉強できると思いました。

2級合格に向けて、勉強会以外で取り組んだことはありますか?

玉城|公式問題集を2周ほど解いて、理解を深めました。


城間|私も公式問題集を解きました。

勉強した期間はどれくらいでしたか?

玉城|検定対策をがっつりはじめたのが2週間前くらい。本を買ってガリガリ進めていきました。ただ、週1回半年間の勉強会で2級の問題には触れていたのと、大学の授業でも統計の授業があったので、そういった細かな積み重ねがあったうえでの、がっつり2週間です。

2級合格から次のステップへ

統計検定2級を取得して良かったことは?

玉城|統計が関連する話題に対して、以前よりも内容を理解できるようになり、会話についていけるようになりました。

城間|統計の知識の基礎をしっかりと固めることができたし、機械学習やデータ分析の概念を新しく学ぶ時に、以前よりもスムーズに内容を理解することができるようになりました。たとえば、DPO(Direct Preference Optimization)の強化学習の際に統計の知識が役立ちました。

現在の業務にも生きていますか?

城間|機械学習やデータ分析に関わる新しい技術をキャッチアップすることが頻繁に求められるので、統計の基礎力を身につけたことで、新たな知識の学習を効率的に行えるようになったと感じています。

玉城|私は現在の業務で統計を直接使う機会はまだありませんが、大量のデータを扱う際に、学んだ知識が判断の助けになると感じています。

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今後、取り組んでいきたいことはありますか?

玉城|まずは大学の研究で、結果を統計的に考察し、説得力のある説明ができるように知識を活用したいです。まだ知識が十分ではないので、統計検定準1級の勉強にも挑戦してみたいと考えています。

城間|私も統計検定準1級の取得を目指したいと考えています。

統計検定を目指す方へメッセージをお願いします。

玉城|統計学をこれから学ぶ方にとって、統計検定は知識を体系的に身につけるうえで、とても良い目標になると思います。学習方法としては、まず公式問題集に取り組むことをお勧めします。

城間|自分の思う、統計検定を取得することの一番のメリットは、統計検定の出題範囲に合わせて勉強をすることで、穴なく網羅的に統計を勉強できることだと思います。統計検定2級を取得することで、基礎力をしっかりと身につけられるので、がんばってください!

——ありがとうございました。

 

 

当日インタビュー参加できなかった根路銘 理子さんのアンケート回答

高校までに習った統計(データの活用など)について、どのような印象を持っていましたか?同様に大学で学んだ統計についても教えてください。

基本的な最頻値や中央値などは何かしらのデータの資料で見ることがあり、漢字の通り意味も理解できましたが、使う時が来るのか不明な印象でした。一方、大学で学んだ統計については、より専門性が増して聞きなれない言葉と式と使い方を習ったので、理解するのに苦労した覚えがあります。
当時は、「統計が役立つのは研究の結果を示す際の数値データで活用するのかな?」とか「データが複数対象の時にどれかを用いるのかな?」程度に考えていました。

なぜ「統計が必要だ」と思うようになったのですか?

理系の就職において、統計学を学んだ証となる資格が加点されると聞いたことと、ちゅらデータ様でも比較的資格取得者はレアだと聞いたので、専門性があると示すためにも取得したいと考えるようになりました。

統計に関心を持ち始めたタイミングや背景を教えてください

大学3年生の頭です。就活で自分が示せる資格が不足していると思い、理系で持っていると良い資格一覧で調べました。また、統計学の授業も受けていたことから受験を考えはじめ、本を購入しました。

数ある資格の中で、なぜ「統計検定」を選んだのですか?

データ分析やデータサイエンティストという職に興味がある中で、就活の際に加点されるような資格だという点と私が数学チックな内容が好きという点で選びました。

統計検定2級にチャレンジしようと思った理由は?

大学3年の時に資格を取得しようと本を買っていたものの1年経っても勉強することがなく、そのままにしていましたが、2級の勉強会を良いきっかけに受験しようと思いました。

社内の統計勉強会には、どのようなきっかけで参加しましたか?

Hugkunの代表の方から「参加してみませんか?」と声をかけていただいたことです。すでに開催されていることは知っていましたが、敷居が高いと思い、参加に足踏みをしていました。

勉強会ではどんな内容に取り組みましたか?

私が参加していた時期は、主に確率分布や標本分布の概念や推定のところをやっていました。どういう場面で使用されるのかを、何度も復習しながら進めていました。

印象に残っているエピソードや学びがあれば教えてください。

代表的な確率分布について習っている時に、どれとどれがどんな関係にあるのかを繋げられるように教えていただき、理解が早まったことです。独学では、そのような覚え方はできなかったはずなので印象に残っています。

統計検定に合格するために、勉強会以外で取り組んだことはありますか?

受験する1週間前にCBT対応付きの教科書でテスト対策をしたことです。また、Web上にある統計検定2級の解説や、簡単な練習問題が掲載されているサイトを利用していました。

統計検定2級を取得して、何か変わったことや得られた気づきはありますか?

まずは自分に自信がついたことです。何かしらの資格を持つということは、ある程度の優位性をつけられると思うからです。また他の資格にもチャレンジしてみよう!という意欲が湧き始めました。

現在の業務にどのように活かせていると感じますか?

現在の業務では統計を用いる場面がないため、正直あまり使ってはいないのですが、長い式を見てもすぐに諦めることがなくなり学習意欲も上がったので、新しい内容でも論文を読み込んで理解しようとする姿勢がつきました。しっかり根底で役立っていると思います!

今後、統計やデータ活用に関して、どんなことに取り組んでいきたいですか?

まずは、自分の研究において、適切な視点でのデータ分析に活用したいです。また、アルバイト業務でデータ活用・分析に取り組むことがあれば、これまでの知識を活かしつつ、さらに新しい知識もインプットしていきたいです!

統計検定を目指す方へ、アドバイスやメッセージがあればお願いします。

一夜漬けの暗記では、取得しても何も活かすことができないと思います。網羅的に理論を学び、問題で知識をアウトプットできるようになることが統計検定を勉強する良さだと思うので、ぜひ統計を体系的に学んでみてください!
webでも本でも勉強できる環境があるので、楽しく学んでみてください!応援しています!

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