COLUMNお客さんの満足度をあげる、そのポイントは?~CSポートフォリオによる改善点発見~

満足度を測る??

顧客満足度の高い商品や製品、あるいはサービスを提供することは、企業活動において重要なことです。なので、「あなたは○○に満足していますか?」といったアンケートを顧客(消費者)に実施することがよく行われます。ただし、単に「満足していますか?」と聞くだけでは、顧客はどの点を重視していて、どの点を改善すれば満足度が上がるのかという情報は得られません。満足度は心理的・感覚的なものであるだけでに、なかなか見ることも計測することもできないからです。

そこで、顧客(消費者)のアンケート調査を工夫して、得られたデータから顧客満足度を算出するCS(Customer Satisfaction)ポートフォリオという手法を用います。

csポートフォリオは、調査項目ごとに、その項目をどれほど重要視しているか(重要度あるいは総合満足度)と、現在、その項目にどれだけ満足しているか(満足度)を聞き、その結果から重点的に改善する項目を抽出する関連分析の統計手法です。この分析では、データから計算した平均値や偏差値などを得点とし、横軸に重要度の得点を、縦軸に満足度の得点をとり、各項目をプロットすることで、重点的に維持する項目や改善する項目を視覚的に明らかにします。

CSポートフォリオをやってみよう!

あるレストランにおいて、「食事メニューが豊富」、「メニューが見やすい」、「味が良い」、「価格が安い」、「清潔」、「従業員の態度が良い」、「内装のキレイ」、「飲み物が豊富」、「店内が静か」という調査項目で、顧客満足度を調査してみましょう。

まず、お客さんへのアンケート調査として、各項目について、重要度と満足度をそれぞれ5段階で点数をつけてもらいます。1が最低点,5が最高点とします。

得られたデータから、項目別に重要度と満足度の平均値を計算します(下の表)。それをグラフにしたものがCSポートフォリオです(下のグラフ)。

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このグラフでまず注目すべきは、グラフの右上の「重点維持項目」の領域にある3項目です。この項目は、お客さんが重要と思っていて、このレストランでもお客さんが満足いくように提供できている項目です。重要であり、かつお客さんの満足度が高い項目ですから、これらは、これからも絶対に維持しなければならない項目です。

 

次に注目するのは、右下の赤字で示した「重点改善項目」の領域にある3項目です。これらは、お客さんが重要と思っているのに、実際のお店では不満足と感じている内容、すなわち、重要度に対して満足度が低い項目で、このレストランのウィークポイントといえます。この3項目についてのサービスを改善できれば、顧客満足度は高まり、レストランがさらに盛況になる可能性があるわけです。

 

CSポートフォリオを用いて、顧客の重要度と満足度を2次元グラフ上に視覚的に表現することで、改善点(重要度は高いが、満足度が低い項目など)の抽出を行い、改善施策立案・優先順位付けの判断材料とすることができます。

 

意外と簡単でしょ?
このように、データに基づいて改善点を見つけていくには、データサイエンスのさまざまなテクニックを利用していくんですね。

 

【岡山理科大学経営学部提供】

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