顧客満足度の高い商品や製品、あるいはサービスを提供することは、企業活動において重要なことです。なので、「あなたは○○に満足していますか?」といったアンケートを顧客(消費者)に実施することがよく行われます。ただし、単に「満足していますか?」と聞くだけでは、顧客はどの点を重視していて、どの点を改善すれば満足度が上がるのかという情報は得られません。満足度は心理的・感覚的なものであるだけでに、なかなか見ることも計測することもできないからです。
そこで、顧客(消費者)のアンケート調査を工夫して、得られたデータから顧客満足度を算出するCS(Customer Satisfaction)ポートフォリオという手法を用います。
csポートフォリオは、調査項目ごとに、その項目をどれほど重要視しているか(重要度あるいは総合満足度)と、現在、その項目にどれだけ満足しているか(満足度)を聞き、その結果から重点的に改善する項目を抽出する関連分析の統計手法です。この分析では、データから計算した平均値や偏差値などを得点とし、横軸に重要度の得点を、縦軸に満足度の得点をとり、各項目をプロットすることで、重点的に維持する項目や改善する項目を視覚的に明らかにします。
あるレストランにおいて、「食事メニューが豊富」、「メニューが見やすい」、「味が良い」、「価格が安い」、「清潔」、「従業員の態度が良い」、「内装のキレイ」、「飲み物が豊富」、「店内が静か」という調査項目で、顧客満足度を調査してみましょう。
まず、お客さんへのアンケート調査として、各項目について、重要度と満足度をそれぞれ5段階で点数をつけてもらいます。1が最低点,5が最高点とします。
得られたデータから、項目別に重要度と満足度の平均値を計算します(下の表)。それをグラフにしたものがCSポートフォリオです(下のグラフ)。