新卒入社から現在に至るまでの6年間、私はデータ分析の業務をしています。私の尊敬する先輩社員が、統計検定1級「統計数理」で優秀成績賞を受賞したことに触発され、私も実務に加えて、統計の理論面をさらに磨きたいと思い、統計検定の受験を決めました。
試験対策では[1][2]を中心に取り組みました。実は本格的な試験対策を始める以前から、業務でよく扱う時系列分析と回帰分析は[3][4]で学んでいたため、準1級の頻出分野であるこれらを得点源とすることができました。
試験対策を通じて感じたことは、「統計検定の勉強は、試験のためだけの勉強」ではなかったということです。例えば、一見実務に繋がりにくそうな推定量の不偏性や一致性のような基礎的な話も、しっかりと理解していないと不適切な値を顧客に報告してしまう恐れがあります。因子分析や判別分析などの応用分野が実務に役立つことはいわずもがなです。
勉強のモチベーションを保てたのは、学ぶ意欲の高い会社の同僚らとの勉強会でした。業務後、週1程度で会社の有志のメンバーで勉強会をやっており、分からないところを教え合える環境はとても恵まれていました。これからも学んだ知識を活用しながらデータ分析業務に励みつつ、次はいよいよ尊敬する先輩が持つ統計検定1級へ挑戦します。
[1] 日本統計学会(2020)『統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック』学術図書出版社
[2] 日本統計学会(2021)『統計検定準1級 公式問題集』実務教育出版
[3] 沖本 竜義(2010)『経済・ファイナンスデータの計量時系列分析』朝倉書店
[4] 佐和 隆光(2020)『回帰分析(新装版)』朝倉書店