インタビュー

第2回統計検定文部科学大臣賞受賞者インタビュー(統計検定準1級)

作成者: Admin|Aug 13, 2026, 4:31:51 AM

 合格という成功体験でデータサイエンスにより興味が──認められた数理スキルを実務でしっかりと活かしていきたい 

統計に対する印象は?

高校までに習った統計について、どのような印象をもっていましたか。

 確率論や場合の数はパズル感覚で解くことができ、楽しかった記憶があります。ただ、教科書では赤い玉・白い玉を取り出すケースやくじ引きの確率といった問題ばかりだったため、これらが実社会でどのように活用できるか、あまりピンときていませんでした。「何のためにこの計算をしているのだろう?」と感じることが多く、実社会で役立てられるイメージは持てていなかったです。

大学で学んだ統計についてはどうですか。

 大学2年生の選択科目で統計を選択したのですが、正直なところ当時はあまり関心がありませんでした。講義では教授が「中心極限定理はすごい」と熱弁されていましたが、「きっとすごい定理なのだろう」と思う程度で、それ以上自分で調べることはしませんでした(笑)。ただ、仮説検定に触れたときは、実社会での活用イメージが湧き、強く印象に残ったことを憶えています。講義を通じて、仮説検定の考え方を知ることができたのは、非常に大きな収穫でした。

当時は統計がどのように役立つものだと考えていましたか。

 高校生の頃は、友達との賭けや麻雀などに役立つかな、程度でしたが、大学生になり、仮説検定の考え方を知ったことで、工業分野などの製造品質管理に役立つものだと考えるようになりました。「誤差を許容しつつ、分布の端にある外れ値をエラーとしてきちんと検出する」という仕組みを知り、製造業だけでなく、生物学や物理学なども含めた、目に見えないさまざまな領域で統計が社会を支えているのだと見方がガラッと変わりました。

統計検定に挑戦したきっかけは?

「統計検定」に関心をもった時期や背景を教えてください。

 社会人になって、現在の部署に配属されてから興味をもちました。具体的なきっかけは、部署の推奨資格の1つとして統計検定があったことです。

数ある資格の中で、なぜ「統計検定」を選んだのですか。

 推奨資格には、ITパスポート、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験など、IT系をはじめとしたさまざまな資格がありましたが、統計検定が最も数学を使う資格だったからです。普段の業務では数学と関わる機会はあまりありませんが、数理スキルの証明になるのではないかと考えて挑戦を決意しました。また、会社が費用を負担してくれたことも、受験を後押ししてくれましたことも大きいです。

受験に向けて

どのように勉強(準備)しましたか。また、留意したことはありますか。

問題を解き始める前に、公式テキストの定理や定義をしっかり理解することを心がけました。そのうえで、問題の解き方で暗記できる部分は覚え、どうしても覚えきれない範囲はあきらめるという取捨選択を実施。合格点を効率よく確保するために、分野ごとに重要度の重みづけを行い、配点があまり大きくない分野の勉強時間は減らすなど、時間配分にも気をつけました。勉強期間は細切れに取り組んだ期間が約4ヶ月、試験直前にグッと集中して取り組んだ期間が3週間ほどでしょうか。

 

▲使い込まれたテキスト。ふせんの位置や長さで重要度を区別

おすすめの勉強法を教えてください。

基本は公式テキスト『統計学実践ワークブック』をひたすら読み込むことです。もしワークブックの解説だけで理解が追いつかないような箇所があれば、Web上の数学・統計解説サイトなどを参考にして理解を深めました。テキストを読むだけでなく、過去問も一通り目を通し、実際に手を動かして解くことが大切です。私はワークブックの読み込みに8割、過去問演習に2割ほどの比重をおいて勉強しました。

勉強中に印象に残っているエピソードはありますか。

 実は、準1級は準備不足により一度不合格に。当時は仕事が非常に忙しく、勉強時間がほとんど確保できない状態で試験に臨んでしまいました。同じ結果にならないよう、2回目の受験はしっかりと腰を据え、集中的に勉強し直したことを印象深く覚えています。

合格を通して得たもの

合格により得られたことや気づきはありますか?

 自分自身のスキルを再確認できたことでしょうか。大学時代は数理最適化の研究室に身をおきながらも、データサイエンティストといった職業を縁がないものと感じており、あまり関心をもっていませんでした。しかし、今回の準1級合格という成功体験を通し、データサイエンスの分野に対して明確に興味をもつようになりました。

現在の研究にどのように活かせていると感じますか?

 現在の業務で直接的に資格や統計の知識を活用する機会はあまりありません。しかし、せっかく身につけた価値あるスキルです。いずれは何らかの形で実務に還元し、活かしていきたいと考えています。

文部科学大臣賞受賞の感想をお聞かせください。

 日常的に実務で統計を扱っているわけではない私が、このような素晴らしい賞をいただけたことに恐縮しています。身に余る光栄であり、本当に感謝しています。

今後、統計やデータ活用に関して、どのようなことに取り組んでいきたいですか。

 資格によってきちんと認められた数理スキルを、実務でしっかりと活かしていきたいというのが一番です。また、準1級の合格を目指して勉強している方々に向け、私の経験を活かした何らかの支援ができないか、いままさに考えているところです。

統計検定を目指す人へ

最後に、「統計検定」を目指す人へ、アドバイスやメッセージをお願いします。

 準1級が扱う知識の範囲や深さは、2級とは比べ物にならないほど広く、深いといってもいいでしょう。しかし、公式ワークブックをじっくりと読み込み、内容をしっかり理解して臨めば、合格点をとることは決して難しくありません。壁を高く感じてしまうかもしれませんが、一歩一歩勉強を積み重ねていけば必ず合格につながります。頑張ってください!