「ポイントカードはお持ちですか?」・・・レジでよく聞かれますね。
「カード会員の方は5%引き」や「土日はポイント10倍」など、会員にとってお得なカード。みなさんは、割引やポイント付与だけがポイントカードのメリットだと思っていませんか。
このポイントカード、実は、お店側にとって、とても大きなメリットがあります。割引ばかりすると儲けが少なくなるのではないか、システム導入・維持の費用は大丈夫か、など、お店のことが心配になりますが、会員になった人が割引に誘われ足繁く来店してくれたり、ポイントを使うために他店よりこちらのお店を選んでくれるといったメリットがあることには気づくでしょう。しかし、それだけではないのです・・・。
ある小売チェーン店では、菓子パンを一定期間ごとにその半数を入れ替えます。いつものように売上額が低い半数を入れ替えようとしていました。すると、データ分析チームから、売上順位が後ろから3分の1番目の菓子パンの入れ替えに「待った」がかかりました。
「この菓子パンは、他の菓子パンに比べ、30代の女性が頻繁にリピート購入しています。しかも、菓子パン以外の商品も同時にたくさん購入していて、全体の売上に貢献しています。もし、この菓子パンの売らなくすると、この女性たちが来店しなくなり、全体の売上が落ちることになります。」
と言うのです。
その根拠となったのが、ポイントカードの購入履歴データ。ポイントカードをレジで読み取ると、そのカードIDの持ち主が買った商品がサーバーに記録されていきます。この蓄積された膨大なデータ(ビッグデータ)から、その菓子パンを買った層(性別や年齢など)を調べていくと、その菓子パンはある特定の年齢層の女性にリピート購入者が多いことがわかってきたのです。さらに、この層の人たちは他に何を一緒に買っているか、1回の買い物の支払い総額はいくらか、などを掘り下げていった結果、先のような傾向がわかり、「販売は継続すべし」というアドバイスに至ったのです。
もちろん、この小売りチェーン店は、この菓子パンの販売を続けました。売上順位しか見ていないと大損をするところでした。
ここで、問題を1つ。